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女性のココロとカラダの基礎知識

Dr.宋美玄の数字から見る!働く女性のヘルスケア事情

LESSON 4過半数が望んだ時期に妊娠できていない!?働く環境が妊娠・出産に大きな影響

生産年齢(15~65歳)の女性の労働力率は約7割(※)と、働く女性は年々増加傾向にあります。そんな状況の中、近年初産年齢は30歳を超え、出産の高齢化も進んでいます。第4回は、働く女性の「妊娠・出産」についての意識、現状を見ていきましょう。

※厚生労働省「平成29年版働く女性の実情」

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ヘルスリテラシーの高い人の方が約2倍望んだ時に妊娠している

望んだ時期に妊娠することができた割合
ヘルスリテラシー高低群×望んだ時期に妊娠できたかどうか

妊娠を希望した働く女性のうち、約53%は望んだ時期に妊娠できなかったという結果が出ています。そんな現状の中でも、ヘルスリテラシーが高い人の方が、そうでない人の約1.9倍、望んだ時期に妊娠。
また、望んだ時期に妊娠ができなかった時に、ヘルスリテラシーの高い人の方が、そうでない人の約1.8倍、不妊治療をしているというデータもありました。
ヘルスリテラシーの高さが、望んだ時期の妊娠、不妊治療の実行に関連していることが分かりました。

解説!スムーズな妊娠・出産は、ズバリ情報戦!

妊娠・出産に適した「生殖年齢」をきちんと理解していたり、妊娠の仕組みなどを知っていたりするからこそ、望んだ時に子どもを持てる結果となるのでしょう。
妊活については、実は手を打てることが限られています。巷で様々な都市伝説や妊活グッズが溢れていますが、正しい知識を持っているかどうかで、結果に差がつきます。
また、不妊の原因の半分は男性。男性不妊のことも含め、正しい情報を知っておくことが大事です。

“職場の雰囲気”が新たな命を育むカギに!

望んだ時期に妊娠するためにあれば良いと思うもの

望んだ時期に妊娠するためにあれば良いと思うものとしては、「時間有給休暇等、有給休暇を取りやすい職場の雰囲気」と回答した人が約57%と最多。次いで、「検診や受診のための有給休暇制度(時間有給、短時間勤務等)の柔軟性」が約43%、「育児休暇後に復帰しやすい職場の雰囲気」が約38%と上位に挙げられました(※)。

※ 日本医療政策機構「働く女性の健康増進に関する調査」(2018)

解説!新時代、女性ヘルスリテラシーに寄与する企業が成長する!

望んだ時期に妊娠し、スムーズに復職できるか否かは、会社の風土によるのが実情ですね。現状、体力のある企業ほど、女性特有の症状に対応する制度が進んできていると感じます。
今後は、働く女性側もそうした考慮のある企業を選んで欲しいです。すると、企業姿勢も変わらざるを得ないことになるでしょう。女性のリテラシーに寄与している企業ほど、優秀な人材を確保でき、更に成長を遂げる時代が来ています。

「仕事とのタイミング」に影響される、妊娠・出産・不妊治療

不妊治療が必要となった理由

不妊治療に関する調査では、不妊治療が必要となった理由1位は、「仕事との兼ね合いで妊娠のタイミングを逃してしまったから」(約28%)、次いで「不妊治療が必要な人はまれだと思っていたから」(約26%)。
一方、望んだ時期に妊娠ができなかった時に不妊治療を始めなかった理由としては、「治療にかかる費用の負担」(約29%)、「仕事と治療の両立が困難だから」(約21%)が上位に挙げられました(※1)。

子どもを欲しくない、あきらめる理由

また、子どもを欲しくない、あきらめる理由についても1位は「健康上の問題・子どもを持てる年齢を過ぎてしまった」(約37%)、次いで「仕事との両立の問題」(約30%)。
子どもを持つことに対して不安がある働く女性は約7割で、不安な理由の1位は「経済的な問題」(約59%)、次いで「就業先で産休・育休を十分とれるか」(約54%)。いずれも仕事の影響が大きいことが明らかになりました(※2)。

※1 日本医療政策機構「働く女性の健康増進に関する調査」(2018)
※2 日本医療政策機構「働く女性の健康増進に関する調査」(2016)

解説!妊娠を望むなら、遠慮は無用!

不妊治療が必要になってしまった理由も、妊娠できない時不妊治療を始めないのも、子どもを諦める理由も、「仕事との両立に問題あり」が上位という、ショッキングな結果ですね…。
経済的な理由などは仕方ないとして、「今は職場に迷惑をかけられない」、「もう少し仕事が落ち着いてから…」という考えを持っているなら、それはナンセンスといえます。
男女共に、誰にも迷惑をかけずに子どもを産み、育てられません。だったら、自分の意思で“家族が欲しい”と思ったら、そのタイミングで臨めばいい。遠慮しても誰も人生の責任とってくれないし、時間は取り戻せません。

「不妊治療が必要な人はまれだと思っていた」人も多いようでしたが、30代後半になると卵子も精子も老化が進み、妊娠率は下がり、流産率が上がります。でも、それ以前に年齢が上がるとセックスがしんどくなり、セクシャルアクティビティの低下を補うために不妊治療する人もいます。不妊治療をしても、年齢が上がるごとに妊娠率は下がり、時間も労力もお金も多くかかります。

昨今、若い世代は若くして出産する傾向も見られています。100年人生、ライフプランとキャリアビジョンを考える上でも、こうした現状を知り、正しい知識を男女共に持つことが今後ますます必要になるでしょう。

監修
丸の内の森レディースクリニック 院長/医学博士
株式会社WOMENS`HEALTH 代表取締役
宋 美玄(ソン ミヒョン)