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女性のココロとカラダの基礎知識

100年人生をより幸せに生きるために!

LESSON 5女性特有の病気を知ろう

仕事もプライベートも充実した人生を過ごすために、肝心なのは健康であること。現代女性はかつての女性より女性特有の病気にかかりやすいことで知られています。なぜなのでしょうか?その理由を理解し、病気のリスクや症状を知り、日頃から自分の体をチェックすることを習慣にしましょう。

なぜ現代女性は婦人科の病気にかかりやすい?

ライフスタイルの変化などその要因はいくつか考えられますが、その1つが月経です。現代女性が一生のうちに経験する月経の回数は約450回(※)。昔の女性に比べるとなんと約9倍も増加!月経は子宮や卵巣などに負担をかけるため、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科疾患のリスクが高まっているのです。
月経が増えている要因は、以下のように、主に「出産」回数が減少していることに影響されています。

  • 初潮年齢が早まっている一方で閉経年齢は昔と変わらない
  • 初産年齢が高齢化している
  • 出産の回数が減った
  • 授乳の機会が減った

※ 公益社団法人日本産婦人科学会監修「HUMAN+ 女と男のディクショナリー」HPより

子宮の病気のサインを見逃さないで!

子宮筋腫と子宮内膜症は、どちらも決して珍しい病気ではありませんが、不妊や流産の原因や痛みで日常生活に支障を来すリスクもある病気です。そのサインとなるのが月経。治療には、ライフスタイルに合わせ、様々な選択肢が用意されています。妊娠・出産の希望の有無やライフプランも含めて医師にしっかり相談し、治療方針を決めていくとよいでしょう。

2、3割の女性に見られる「子宮筋腫」ってどんな病気?

30歳以上の女性の20~30%に見られる(※)、子宮壁の筋肉にできる良性の腫瘍。女性ホルモンのエストロゲンの影響で大きくなり、エストロゲンの分泌が無くなる閉経後は小さくなります。

病気のサイン
1時間に1度はナプキンを換えなくてはならないほど出血が多い。
主な症状
月経の出血量の増加、月経痛、不正出血、腰痛、頻尿、不妊、早産、流産など。
治療
症状が軽い場合は不要。症状が重かったり不妊の原因になっていたりする場合は薬、手術など。手術の場合、妊娠の希望の有無によって手術の内容が異なる。

※ 公益社団法人日本産科婦人科学会HPより

「子宮内膜症」ってどんな病気?

月経がある女性の約10%に見られ(※)、子宮内膜やそれに似た組織が子宮の内側以外の場所にできてしまう病気。子宮以外にできた内膜や血液は体外に排出されず、月経周期に合わせて蓄積され、炎症や周囲の組織との癒着を起こすため、慢性的な腰痛や下腹部痛、不妊を引き起こすことも。月経痛を放っておくとかかりやすいという報告があり、再発しやすい病気でもあります。

病気のサイン
鎮痛剤をのんでも治まらないほど月経痛が強い。
主な症状
月経痛、腰痛、下腹部痛、排便痛、性交痛、不妊など。
治療
鎮痛剤や低用量ピルなどの薬。病巣がはっきりしている場合は手術する場合も。妊娠希望の有無により手術の内容が異なる。

※ NPO法人日本子宮内膜症啓発会議「子宮内膜症 Fact Note」

40代までは女性は男性の2倍がんにかかりやすい?

日本人の2人に1人はかかるという、がん(※1)。実は40代までは男性よりも女性のほうが約2倍もがんにかかりやすいことが分かっています(※2)。この理由ともなるのが「乳がん」「子宮がん」です。

※1 厚生労働省HPより
※2 国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」2014

乳がんをもっとよく知ろう!

乳房の乳腺にできる乳がんは、女性の11人に1人がかかるといわれており、年々増加傾向にあります。男性がかかることもあり、その罹患率は女性の約1%。いずれも早期発見できれば90%は治るといわれています。

20代、30代が気をつけるべきこと
月に1回程度のセルフチェック。
違和感があったらかかりつけ婦人科医、または乳腺外科の受診を。また、家族にがんを若年発症した人がいる場合は、医師にそのことを伝え、症状がなくても毎年検診の受診を。
40代以上が気をつけるべきこと
月1回のセルフチェック+2年に1回の乳がん検診の受診を。
検診内容は問診とマンモグラフィ検査が基本。視触診や超音波検査を併用する場合もある。
セルフチェックを
セルフチェックは、乳房が柔らかい月経終了後1週間後くらいに、入浴や着替えのタイミングで行うとよい。
閉経後は毎月、日にちを決めて行うとよい。
  1. 鏡に向かって両手を上げ、乳房に変形や左右での違いがないか確認する。
  2. 片手を上げ、反対の手で鎖骨の下から乳房全体、脇の下で、小さく「の」の字を描くように指を動かし、しこりがないか確認する。
  3. 仰向けで横になり、乳房の外側から内側に向けて指を滑らせ、しこりがないか確認する。

子宮頸がんをもっとよく知ろう!

子宮がんには、子宮の入り口付近にできる「子宮頸がん」と、子宮の奥にできる「子宮体がん」があります。閉経前後に発症することが多い子宮体がんに対し、20代後半から急増するのが子宮頸がん。子宮の入り口に発生することから、検査で発見されやすく、治療もしやすいがんといえます。
女性の78人に1人がかかり、患者数は増加しています(※)。早期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると不正出血やにおいの強いおりものといった症状が現れます。

※ 国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」2014

子宮頸がんの原因は?
子宮頸がんは性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因で発症。つまり、性交渉経験がある人であれば、誰にでもリスクがあるということ。感染しても多くの人は症状がないうちにウイルスを排除できるが、一部で感染が持続すると、がん化する。また、喫煙も危険因子になる。
子宮頸がん検診の重要性
20歳以上は2年に1回の定期検診の受診を。
子宮頸がんは、通常進行がゆっくり。そのため定期的な検診によってがんになる手前で発見することが可能。検診で要精密検査になるのは約3%。そのうち約1.9%が子宮頸がんと診断されている(※)。早期治療すれば、子宮を温存できる可能性も高くなる。

※ 厚生労働省「平成27年度地域保健・健康増進事業報告」

自分を守るため!婦人科がん検診を受けよう

日本の乳がん・子宮頸がんの検診受診率は約40%で、米国(約80%)、英国(約75%以上)と比較して低いことが分かっています(※)。勤務先や自治体の検診など受診のチャンスはいくつかあるので、「あの時受診していれば…」と後悔しないために、定期的に受けるようにしてください。

※ 公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計‘18」

監修
丸の内の森レディースクリニック 院長/医学博士
株式会社WOMENS`HEALTH 代表取締役
宋 美玄(ソン ミヒョン)